今さら聞けないドローンとは?

ドローン空撮 Birds Eye

ドローンコラム

今さら聞けないドローンとは?

ドローンという言葉がテレビ・新聞などで取り上げられる機会がとても増えました。ドローンって一体なんでしょうか?

そもそもドローンって何?

ドローンのはじまりは軍事用に開発された自律する無人機。無人車両・無人航空機・無人船舶など自律式の機械全般を表す言葉ですが、2010年以降は"命令を受けて自立飛行する飛行物体"を総称して"ドローン"と呼ばれています。

マルチコプター・ラジコンヘリと呼ばれることもあり、撮影・物流・農業などに活用されています。日本では2015年がドローン元年と呼ばれ、企業や政府が本格的にドローンを使った事業を展開し始めた年になります。

ドローン自体の語源は、英語で「オスのハチ」の意味があり、飛行する時の「ブーンブーン」という音が由来でドローンと呼ばれるようになったと言われています。

「最後の産業革命」と呼ばれるほどドローンはさまざまな業界より注目されています。ヒトの頭上から200m程度の「低空空域」に関しては、自由に飛び回れるような機械が今まで存在せず、手軽に低空空域を飛行できるドローンが注目され、新たなビジネスモデルとして参入する企業が急激に増えています。

ドローンの仕組みと利用する機械について

ドローン本体
プロペラが付いた本体。複数のプロペラが付いたマルチコプターが一般的です。GPSで自分の位置を常に把握しているので安定した飛行が可能です。
バッテリー
本体にリチウムリポバッテリーを取り付けて飛行します。最新の機種では1本のバッテリーで28分間程度の飛行が可能です。上空でバッテリーが無くなると非常に危険なため、通常はバッテリー残量が30%を切ると、自動でドローンが離陸ポイントに帰還するような機能があります。バッテリー1本はおよそ2万円程度と割と高額なパーツです。
カメラ
一番広くドローンが利用されているのは撮影用途です。広告撮影用・測量用・調査用のドローンにはカメラが付属しています。ドローン本体に一眼レフカメラや測量用カメラ、サーモカメラなどが搭載できる機種もありますが、弊社で利用しているDJI社のファントムは本体にカメラが内蔵しているタイプです。ジンバルというパーツで揺れを吸収してくれるので、風でドローン本体が上空で揺れても、安定した動画や写真の撮影が可能です。また最近の機種は4K対応の高画質の撮影が可能です。
操作リモコン(プロポ)
ドローン本体やカメラを操縦するための操作リモコンです。ファントムの場合はWi-fi接続で本体を制御します。GPS制御でドローン自身が自らの位置を常に把握しながら飛行しているので、空中で操作リモコンから指を「パッ」と離しても、ドローン自体はその場で静止(ホバリング)している状態になります。GPSがきっちり捕捉している環境下でのフライトの場合は、機材のトラブルが起きていない状態であれば、目茶な操縦をしない限りいきなり暴走したり、障害物に衝突したりすることはまずありません。
モニター(タブレット・スマホ)
操作リモコン(プロポ)にUSBケーブルで接続して、上空からの映像をモニタリングしながらの飛行が可能です。モニターには飛行時の高度・緯度経度・地図上のドローンの位置・GPSの感度・バッテリーの残量などが表示されています。ドローンの操縦者は目視でドローン本体の位置を確認しながら、常にモニターでも状況監視して、ドローンを安全に飛行させます。
アプリ
ドローンには専用のアプリを入れる事により、カメラからの映像のモニタリングや、操作の補助、ドローン本体の状態の把握を行います。DJI社のアプリは「DJI GO」というアプリを利用し、モニター(タブレット・スマホ)にインストールして利用します。iPadやiPhoneなどMacのOSの方が安定して動作する傾向にあります。アプリにはいろいろな機能が搭載されています。インターネット環境が無い場所でも、アプリをインストールしたモニターと、ドローン本体がWi-Fi接続されるので飛行が可能です。初心者にはフライトシミュレーターのような訓練するためのソフトも付属しています。

ドローンの活躍するフィールド

ドローンが活躍する主な産業
プロモーション・広告 テレビ局・広告代理店などが主に仕事を請けて、企業・店舗・施設などの撮影を行い、ホームページやパンフレット・プロモーション動画などに利用するために撮影を行います。ドローン自体も100万円以下の比較的安価なドローンで撮影を行えるため、プロモーション用空撮をドローンで行う会社が全国各地に増えてきています。
測量・調査 建築関連の企業が測量や劣化状況の調査のためにドローンを活用しています。3Dモデリングができるカメラ・サーモグラフィーによる温度を計れるカメラetcさまざまな機材を導入して、ただ単に撮影するよりは高度なドローン活用をします。屋根、橋梁、その他施設の劣化状況などの調査を行ったりします。
物流 アマゾンのドローン宅配構想が有名ですが、モノを運ぶ物流業界でドローンは大変注目されています。2016年には千葉県・物流各社が協力の上で、マンションに宅配を行う試験もスタート。物流倉庫や巨大店舗などでは商品の棚卸作業にドローンを活用する動きもあります。
農業 主に農薬散布をのためにドローンが活用され始めてきています。特に中国では広大な農地が多くあり、ドローンによる農薬散布が急速に増えると言われています。
漁業 魚群探知機カメラを搭載したドローンにより漁業を促進。また、アユやウナギなどの淡水魚を好む大型の水鳥「カワウ」による漁業被害を減らすため、水産庁と全国内水面漁業協同組合連合会が、小型無人機ドローンを活用した対策に乗り出し、全国約20カ所に配備し、漁場から営巣地を遠ざけるほか、繁殖抑制に使う予定です。
警備 警備大手セコムが2015年6月から警備にドローンを利用しています。工場などに不審な人や車が侵入すると、敷地内を自動で追いかけ、車のナンバーや人相を撮影します。既存の警備サービスを利用している企業や団体を対象に月5千円ほどでドローンを使ったサービスを提供しています。
災害復旧 地震などの災害復旧にドローンを活用する動きが活発化しています。ドローンが担う役割は「被災状況の確認」と「ケーブル復旧作業のサポート」の2つ。被災状況を短期間で安全に把握し、インフラの復旧をスムーズに行うためのドローンが2016年より本格稼働します。

何故ドローンは危険な印象があるのか?

  • 私たちはプロモーション用途のドローンの撮影を2013年頃から開始し現在に至ります。当時は「ドローン」という名前を知る人はほとんどなく、「ラジコンヘリ」と説明した方がみなさんわかりやすかったような時代です。そして2015年4月22日に起きた"首相官邸無人機落下事件"が皮肉にも世の中の大勢の人に「ドローン」という存在を広く知らせる事件となってしまいました。
  • 私たちが日常、企業や役所からの依頼でドローンで撮影を行っていると、多くのギャラリーに囲まれてしまいます。「初めて見たー!」「写真撮ってもいいですか?」「ドローンって買うと何円するんですか?」と気さくに話しかけて頂ける人もたくさんいますが、中には遠くの方から「ジーっ」と厳しい視線を頂きながら撮影を行う事も多くあります。「危なくないのかなぁ」と半信半疑の視線を痛いほど感じます。
  • 事件より1年以上が経過した今、実はドローンの性能自体が飛躍的に進歩したり、通称ドローン規制法と呼ばれる法律も整備されたり、事件になる事を恐れた訳の分からない操縦者が減ったりして、いまではとても安全にドローンの飛行ができるようになっています。
  • 確かにドローンは使い方を間違ったり、安全を意識せずに操縦すると非常に危険な機械です。私たちのようなドローンを本当に世の中のために、サービスの為に真剣に利用している業者は、1日も早くみなさんのドローンに対する印象を良くしていけるよう、法律に沿った正しい飛行を行っていくように努めています。

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